「別冊太陽242 星野道夫」を読んで
「別冊太陽242 星野道夫」(星野 直子 (監修))を読みました。このような紙の本を買うのは久しぶりです。ページを飛ばし飛ばしながら読んでいると、シシュマレフの村長に出した手紙の写真が掲載されていました。星野道夫の「旅をする木」にも紹介されている話で、次のようなことが書かれています。
本の中であなたの村の写真を見ました。
とても訪ねたいと思っているのですが、だれも知りません。
仕事はなんでもしますので、
どこかの家においてもらえないでしょうか。
この手紙の返事が、その後しばらくしてミチオに届きアラスカに行くことになります。このエピソードが私は好きです。なぜ好きなのか、うまく説明できません。ミチオは(たしか)同じ「旅をする木」で「これまでの経験をすべて消して、もう一度白地図の時点からトライしてみたい」というようなことを書いていました。
「ガツン」と感動して突き動かされるような状態、そういったことは人生において希少で輝かしいものだからなのだろうか。1999年頃、ふと私の部屋の壁を見たら写真付きのカレンダーがありました。透き通る川の中を泳ぐ鮭の群れがいて、そこに立つクマ。その写真の説明を読んでみるとアラスカの写真であり、撮影したのは星野道夫であることを知りました。たしか、オリンパスというカメラメーカーのカレンダーでした。
▼写真アルバムに「そのカレンダー」の写真がありました。デジタルで残っていたのに驚きました(2001年撮影)。
私はその後、取り憑かれるようなアラスカについていろいろ調べました。「アラスカに行ってみたい」とそのことだけを考えていたような気がします。深夜アルバイトの量を増やして旅行資金を貯め、昼間はその時まで避けていた英会話を勉強しました。「アラスカに行ってみたい」という気持ちから、いろいろな行動が生まれていきました。あの突き動かされる状態というのを「情熱」というのかもしれません。
▼アラスカ鉄道に乗ってアンカレッジからフェアバンクスに向かう(1999年ごろ撮影)。
別冊太陽242 星野道夫 (別冊太陽 日本のこころ 242)
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